頭がずきずきし、胸がむかむかする。起き上がれなかったせいで背骨が痛い。
三日後あたりに軽い頭痛と嘔吐感があるかもしれませんが、軽いし、三日ほどでおさまりますので。一昨日、作業のような問答を終えた初老のドクターはきっちり七日分のカプセルの入った袋を差し出した。
「原因は何だと思いますか。」
用意してこないと言葉に詰まる問いにも私の口はとっさに体をなす答えを用意しようとする、そしてそのそれっぽいフレーズをそのままメモするドクター、何がわかる、偽ってどうする、相手を自分を私はなじる、内心で。
眠るのがもったいない、といつか夜中に笑った彼は昼間もずっと眠っているようになった。
かなしくなって床に転がった。
帰る。帰る?うん。帰る?帰る。
私はひとりで階段を下り、廊下を突っ切って、小雨の大通りへ出る。
玄関でキスをしなくなったことが、改札を通ってもわだかまる。
「死にたいと思いますか。」
ここへ来て、ノーと答える人がいるのか。
課題に行き詰っている、という友達の相談に乗った。私がアドバイスする形になった。
何度かそういうことがあった。
何かの折に、お互い一浪で同い年だとわかり、彼女はほっとしたと言った。
「年下に負けてるわけじゃなかった。」
「教えられるばかりって苦しいじゃない。」
後者は私に向けられた言葉ではなかった。それでも私の顔はこわばった。
ベランダでスミノフを開ける。
怠惰な私、傲慢な私、醜い、重い、わずらわしい私。
誰かと一緒に泣きたい。
生きていてごめんなさい。
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