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may be May

頭の中のごみそうじです

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幸福と夢

扉のない部屋があります
限りなく白い部屋です
同じく白い小さな二つのベッドと
透明な仕切りだけがあります

夏です
蛙が鳴きやみ
蝉がまだ静かな
わずかな時期です

「幸福」側には子どもが二人
彼らには名前がありません
並んですやすやと寝息を立て
つかのまの夢を見ています

一人はよく泣き
一人は静かでした

「夢」側には大人が二人
彼らは名前を考えています
手をつなぎ同じものを見て
限られた幸福を味わいます

二人はじきに二人ではなくなります

泣かなかった子どもは一人を忘れ
泣き続けた子どもは独りになりました
「幸福」は意味を変えました
「夢」に願いを託しました
醒めないうちに終ることを
泣かなくなった子どもはずっと
夢に見続けています
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沈黙

思い出せない冬の始まり
オレンジと紫で書いた円

あなたの下でだけわたしは
生きていたのかもしれない

憶えていない夏の火曜日
長針が正午を離れた瞬間

あの子の隣でだけわたしは
幸せを望まなくてよかった

あなたに倣うつもりはありません
それでもあなたのようになりたい

あの子に会いたいとは思いません
それでもあの子の自慢でありたい

走馬灯のなかでふたりが
待っていてくれたら
笑って終れる
煙草が
成長が
変えてしまうまえの声で
わたしの名前を呼んでほしい

待ってる

18

聞きたいことばはやまほどあって
あなたはいちども与えてくれない
だけど言ってほしくないことも
決して口にしないから

少しだけ輪郭がゆるんでいく
わたしらしいわたしじゃなく
ただ勝手にあらわれるまま
ほんの少しだけそんなふうに

遠いのはいつものこと
遠ざかるのは慣れない

放してはいけないと
そうするべきではなかったと
言う人
違うの
もともとここにはなかったのよ
わたしのものではなく
あなたのものでもなかった
ただ よく出来過ぎていただけ

こんな日にはいろいろと忘れて
あっさり戻りかけてしまうけど
終ってしまったことだった

春が 来てしまう

'Cause I hate myself

落ちこぼれとしても不適格で
気が合った気になっていたのかな
それともただ
待ち焦がれていた打擲を
任せるのに好都合だったのかも

あなたの気持ちになることは容易過ぎるくらいで
こころが幼く弱いだけ

どうでもいい人とばかりつるんで
不純さを競い合っていないで
黙ってギターを弾けばいいのに

イノセンスのなごりをかきあつめて
唄えばいいのに
わたしが聞くのに

会ってももうしょうがないけど
たとえばあの人がもういちど歌い始めたら
同じフロアに 独りで
あの部屋を知らない頃の気持ちで

どうぞ、お健やかに。
いつまでだって憎んでいる

F&Z

完全な人工海水と擬岩
噛みつくことを知らないまま

男の子はやっぱり怖いし、嫌だ
あの人たち、自分を無害だと思いこんでいるみたい
ぞっとする

フラニーって呼んでくれてもいいよ

青いね
きれい

この泡みたいなifで
飽和してしまいそう

水槽の向こうのあなた
透明で絶対の仕切り

決定的なふたつのことば
どちらもまた飲み込んで
そろそろ髪を切りなよって

肩の鮫
胸の鷲
人差し指のブラック・オニキス

好都合だから借りているだけ
京都から遠く離れて沈みたいよ

分かって
分かった気にならないで
知ってて
思うのはとどかない人にだけ

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