may be May

頭の中のごみそうじです

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メビウス

イエライシャンが匂うたび
甦る音
歪まない黒

同じ青なのにどうにも
嘘っぽいパッケージ
こんなふうに
すべては
ぼくらは
均され
それに
慣らされていく

爆音で
足元にも及ばない音
あなたがそうしてきたように
祈りは
望まないだれかが
いつかのわたしが
拾う　それだけ

ねえ、京都市役所前まで
絵になるふたり連れて来て
オレンジと九条ネギを添えて
何度だってキスすればいい

新京極のショウ・ウインドウ
おにいさん、視線にご用心
セーヌ河でも等間隔かしら

ここに降るのは
気の抜けたジンジャーエール
三角州に来たらみんな
どうせくちずさんでるんでしょ

ランチにファラフェル頬張って
おやつの豆餅のために行列
境内にひしめく店、店、店
森のなかにただよう古本の匂い

セピアのなかに収めてしまおう
釣り糸かわりにレンズを向けて
さあ引っかかりにおいでよ

二月

なにも撒かなくても
鬼はもういない
ものにできなくても
耳を澄ます人々

どっちでもいい
たださ
前提を履き違えるなよ

白はおれに
取っておいてよ
赤できみは
泣くんだろう

夢にも見られなくて
謝れもしない
声さえ聴こえなくて
まともに呼吸してる

始めなくていい
無理に
その程度なわけがない

白はおれに
取っておいてよ
赤をきみが
選んだんだろ

Soak into the blue

これは生まれた瞬間に
正確にはその数時間後に
決まっていたことだから
あなたは観念しなくてはならない

骨も灰も始末しなくていい
マドンナ・リリーを敷きつめた
棺代わりの手ごろな箱に
赤い椿をひとつ添えて
初めて飼った白い鳥が
眠っている浜のどこかで
跡形もなく燃やしてほしい

あらゆる青がこごって滲む
冬がいちばん映えるはず

砂が素足を灼く温度を
夥しいからすの腐臭を
わすれることができないように
あたしはあなたの一部になる

あたしのからだは見つからない
あなたは死ぬまで不幸を知らない
あたしのからだは見つからない
あなたは死ぬまで思い出さない

ダブル・プラトニック・スーサイド

僕はあなたに盲いているのだと
あなたは笑う
そうかもしれない

誰もがあなたの言葉を待つ
嘲笑も
賞賛も
あなたは相手にしない

あなたは自分も
消費財であることを忘れる

見縊り続けた世界に
見限られるそのとき
あなたには持ちこたえられない
あなたは僕を壊し
あなたを保とうとする

むくわれるのは僕で
あなたにはなにものこらない

閉じていたのはあなたの目
愛したのはあなたが決して
みとめることはないあなた