may be May

頭の中のごみそうじです

[PR]

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

七月

ラルフローレンのシャツを着て
その子はヘルシーに笑っていた
撮るより話す時間が長いカメラマンは
目元がそうだねって振り返った
髪が似なくて良かったと答えた

それらしい言葉はめくらまし
余白をわたしはきっとまだ
はかりきれていないのだろう
かなうものではなくても
視界にとどめ続けるのだろう

教室でいつも歌っていた
三つめにＤが鳴ったとき
バレリーナはあきらめた

無骨なシャッターの降りた地下街
ガラス越しのマネキンたち
あと一時間は来ないって
嘘をついた

つめたい手
トマトジュースが飲めない以外の
接点は見つからないままに
金曜日でお終いかな

去年気に入ったバンドは
知らないうちにみんな知ってる
「下品なピュアさがいいよね」
笑えばいいのかな

マスターピースは
そうだね五十年後くらいに
ぞっとしないな

教室でいつも歌っていた
三つめにＤが鳴ったとき
バレリーナはあきらめた

いつか王子様が

ビタミンカラーのスカートに
白いパフスリーブのブラウス
高い位置のポニーテール
晴れた日には丘の上で
銀色のコルネットを吹いている

肩までの髪を品良く巻いて
音のしそうなまばたき
特技は四つ葉をさがすこと
ゴールデンの名前はハチミツ
泥まみれになってじゃれる

凛々しいサキの胸には
クロスのペンダント
愛らしいミラの耳に
iPodから流れるCocco

彼女たちはうろたえず
ただ傷つけられていく
それをひけらかすこともなく
奏で
微笑み
それから

僕だったもの

着ぐるみがずっと怖かった
いつかあれに連れ去られて
かえれなくなると思ってた

ワンダーランドのコンビニには
黒いギネスもマルボロ赤も
コンドームも置いていない
レスポールを弾かない僕

思わせぶりな死に方をしたら
しらけてくれたらいい
君のガールフレンドと違って
どうせ手首は切れない

「幸せ？」
「大丈夫」
ウィンター・シーズン仕様のハリボテ
背にしてティポトルタをかじる子ども

ワンダーランドのコンビニには
黒いギネスもマルボロ赤も
コンドームも置いていない
レスポールを弾かない僕

終わりだけでいい

さみしくなってしまうから
ひとりは鳴らさないでほしい
終わりだけでいい

Everyone hates me
だとしても
分かっているよ
くたばるまで次に
行きつづけるだけなのは

「この人が刺されかけていたとき
あたしは崖から落ちているところだったから
助けに行けなかったのよね」
たとえばそんな笑い話
あこがれてやまなかったわ

降ってこないかな　豪華なもの
隕石が雷くらいの頻度だったら
もうすこし世の中はまともかもしれない

さみしくなってしまうから
ひとりは鳴らさないでほしい
終わりだけでいい