頭の中のごみそうじです
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三時間待って一万円払えば髪がすとんとなるように性格もなんなりとできればいいのにそうはいかない。ひとりで休日をうまくつかえるはずもなく、あかるいうちからごろんと横になっていた。目がだるく、頭がおもい。かつてないくらいに。乾かすのにかかる時間を思うと髪をばっさり切ってしまえばよかった。でもそれは来月のほうがふさわしい。あれ、わたしは夏を越そうとしている。結局。秋服を物色し、幸水がひとつ百円で買えることをよろこび、栗やさつまいもを待っている。いやだ。あの部屋は引き払われてしまうのに、さむくなればまただきしめてもらえるだろうかと考えている。いやだ。かみさまが存在していればいいのに、わたしはそう思う、でも仮に存在していたらわたしたちはこんなにわけのわからないゆるすゆるさないの問答をする必要はないはずだ。そうでしょう。きょうもかみなりはわたしに落ちてこなかった。人を殺した男にも物を盗んだ女にも証拠を捏造した警察にも冤罪を見過ごした裁判官にも預り金を着服した弁護士にもいい加減な法律をつくった議員もとい官僚にも。お酒が飲みたい。そんなことを言うとまたきらわれてしまう。ううん、ほんとうはそもそもそんな余地はないし、わたし自身、どうでもよくなっている。希望にすがるようでいて絶望をひきよせようとしているにすぎない。おしまいにしたいんだよ。世界にはわたしの想像をこえるものがいやというほど待っているだろう。でもわたしはもうじゅうぶんなんだ。きょうで人生が終わるならiPodだけ持ってバンプオブチキンだけ聞いてとりあえず行けるところまで歩くよ。電車が来たらそれに乗って、バスが早ければそっちに揺られて行ける限り遠くへ行くよ。からのリュックを背負って行くよ。ああ、いやだ。あの部屋がなくなってしまうなんて。いやだ。死のうと思いたい。心の底から思いたい。まだ思えない。気が遠くなる。
あなたは所詮あのありがちな置屋でギターを弾く自撮りが趣味の女の子に、大根役者の中で一人だけ肝が据わっていたシンガーに、ばかにされるのがこわいだけなんだろう。かみさまはあなたにも罰を与えてはくれないだろう。だからわたしが恨んであげる、わたしだけは憶えている。
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