十分前の電話が入って
十年前の音楽を入れる
同じこと思ってうたう
同じ子を思ってうたう
イノセンスもとうに壊疽
泥酔して
かたくなに素面のわたしを「悪い子になったな」って笑った
一五歳と半年
一キロ余りの橋のたもと
でたらめなその日だけを
でたらめなその口だけを
うたがわずに
干支はもうふたまわりめ
ああ呆気なく幕を閉じそう
折り返しにはまだ遠いし
取り返しはまだつくけど
そういうことじゃなくて
そういうことじゃなくて
そういうことじゃないでしょう
おまえはろくでもないなって
やさしい声が思い出せない
もうだれも正しくなまえを呼んでくれない
呼んで欲しい人が居ないから訂正もしない
もらえるラベルに甘んじる
「きみは死んだほうがいい」
少くないお金を遣って
短くない時間を割いて
デパスを与える価値もない
それでも買い被ってくれるの知ってるよ
わたしを忘れないことも疑ってないし
だからって思い出さないことも分かる
わたしがうまく放り出しても
まかり間違ってうまくやっても
驚かないでくれるといいな
疲れたの 疲れているの 疲れる
遅延理由の人身事故に
いちいち身をこわばらせてる
つらい
くるしい ああ
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