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may be May

頭の中のごみそうじです

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A Start means the End

ひとりで恋におちるだろう
ひとりでに恋におちるだろう
見つからないように祈ってる

Please remember me not as an ugly girl annoying you
but as a nameless one who has found you by herself

ねえよく分かるよ
顔見てればつたわってくるよ
ほんとうに立ちたかったのはそこじゃないのにね
敵わないから譲って
代わりにあてがわれた立ち位置でさえ
あなたはオンリーワンですらない
誰より愛して
誰よりくわしくなって
それでも
あなたより若く
あなたほど何も考えず
あなたより恵まれて育ったひとたちが
あっさりあなたの上をいく

とてもよく分かるよ

わたしがあなたの年になるころには
あなたよりずっと良いお金を稼いで
子どもを持たない代わりにテキサスにだって住める
一等賞の表彰状はすでに居間の壁からあふれて
いくつかは筒から一度も出さないままでいる

とてもよく分かるよ
わたしのなにひとつとしてあなたを惹きつけないし
あなたのなにもかもからわたしは目を離せない
とてもよく分かるよ
とてもよく分かる
あなたの隠しきれないいらだちも
満足がつよがりじゃないことも
ただそれだけ言いたいだけ
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Not love but all

十分前の電話が入って
十年前の音楽を入れる
同じこと思ってうたう
同じ子を思ってうたう

イノセンスもとうに壊疽

泥酔して
かたくなに素面のわたしを「悪い子になったな」って笑った
一五歳と半年
一キロ余りの橋のたもと
でたらめなその日だけを
でたらめなその口だけを
うたがわずに

干支はもうふたまわりめ
ああ呆気なく幕を閉じそう
折り返しにはまだ遠いし
取り返しはまだつくけど
そういうことじゃなくて
そういうことじゃなくて

そういうことじゃないでしょう

おまえはろくでもないなって
やさしい声が思い出せない
もうだれも正しくなまえを呼んでくれない
呼んで欲しい人が居ないから訂正もしない
もらえるラベルに甘んじる
「きみは死んだほうがいい」
少くないお金を遣って
短くない時間を割いて
デパスを与える価値もない

それでも買い被ってくれるの知ってるよ
わたしを忘れないことも疑ってないし
だからって思い出さないことも分かる

わたしがうまく放り出しても
まかり間違ってうまくやっても
驚かないでくれるといいな
疲れたの 疲れているの 疲れる
遅延理由の人身事故に
いちいち身をこわばらせてる
つらい
くるしい ああ

「井伏さんは悪人です。」

きみは僕が居なくなったらどうするだろう。
逆に、きみが居なくなった後のことを考えてみる。
自分なんか、居ても居なくても変わらないと思う?
なら、意外とお目出度く出来たあたまだね。

そうだな、もちろん感情は一色じゃないから、その報せは僕の気持ちもマーブル模様に波立てるだろう。
まずは、厄介払いが出来た安堵。これが第一を占めるだろう。
力になってあげられなかった罪悪感、そういうまっとうな感情を浮かばせることに成功した満足感めいたものも表面にあらわれるだろうね。
もちろんさびしくもあるだろう。きみと居るときほどクリアに優越感をおぼえられることはなかったからね。
でもそんな快楽はもちろん間違っているから、やっぱり君が去るのは僕にとっては望ましいことのような気がするな。僕にとってはだけど。
僕の知らないだれかにとってはきみは欠点なく秀でた嫌味な存在でもあるんだろう。それもたやすく想像出来るよ。
僕の君に対する認識には何の影響もないことだけど。
ねえ、見下すことって心地いいでしょう?
心底見下している相手が縋るように自分だけを慕ってくるのって、えも言われない気持ちになるでしょう?
僕らみたいな人間には。

僕の、こういう、嫌悪している相手にわざわざ饒舌に構い立てて苦しめる、
その行為が僕の期待通りに相手に抜群の効果を発揮する、
この屈折したコミュニケーションに浸らずには居られない、
反吐が出そうな僕の趣味にきみが早く耐えきれなくなってくれればいいのに。

僕が無視したい部分にきみみたいな人間が呼応するから、
僕みたいな人間がまっとうになりきれずにのさばってしまうんだよ。
僕にはたくさんの、きみよりずっとたくさんの、拠るべきまともなつながりが築かれているのに。

ところで僕は心中は信じないんだ。
あれはふたつの自殺かふたつの殺人、あるいはひとつの自殺とひとつの殺人。そのいずれかだよ。
二人セットではありえない。だって、そうだろう。

カストリってどんな味がしたんだろうね。
一昨日いっしょに飲んだ友達が、ブランデーをスピリタスで割って飲むんだと言っていたよ。僕らもそれにする?
そしてきみは素晴らしく体裁のととのった文章を、上品このうえない筆致で書くんだ。
僕はいつものみみずがのたうったような文字で、いつものような僕らしいことを記しておくよ。
失敗はごめんだから、それだけはきちんとお願いしておくね。頼んだよ。
醒めないフツカヨイ、そう詰ったあいつは滅茶苦茶でも生き抜いた。何よりだ。僕はあいつが好きだった。
じゃあね、あとはお好きなように。おやすみ、また目がさめればね。

さよなら火曜日

今朝食べたものが
温度のない石のかたまりになって
胃を満たしている
開封したてのイヤフォンから
黴びた匂いのオールドロック
冥王星はすばらしく住みよい
あなたもいるならなおのこと
でも太陽のそばがいいんだね

当然のことがまだ駄目みたい
すこしだけ他人が慕わしくて
だけどまあ変わらないみたい
もっとありのままうたってよ
諦めていない振りをしないで

発光

この山に木はそだたない。
電車はきょうも立ち往生。
この風は、僧侶に惚れた女の執念?
それとも、彼女を殺した彼の報い?
あなただってああ言うだろう
わたしだって舟を漕ぐだろう
肌に打ちつける砂も、
頂を覆うクマザサも、
すべてはただ戒めのために。

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