ひとりだけ煙草を吸わなかった
無口な弟を、私と違っていいやつだと笑った
時計も車もネクタイも、笑えるぐらいに分かりやすい趣味をしていた
なよなよとした字が似てしまった
あなたがいつか抱きかかえて降りてきた、
彼女と先週お好み焼きを食べました
あのとき居合わせて私に苦笑いを向けた、
彼はまだ独身でいま関東に居るらしい
私とは逆の意味で散々あなたを手こずらせた、
あの子も一緒に会いました
みんな元気です
あのままです
八年なんて、ぞっとするくらいになんでもないみたいですね
憶えていますか？
わすれませんよ？
もう誰も居ない
何もありません
あの人は一線を退いて
あの人は僻地へ飛んだ
あの場所はすっかり真っ当になってしまった
これまでがどうかしていたと言えばそれまでだけれど
そう どうかしていたのだけれど
訊きたいことがあります
話したいことがやまほど
だから、いつか、きっとまた。
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