誰の目にそう映らなくてもわたしの人生は全く悪くなかった、わたしは幸福だった瞬間瞬間をきちんと思い出し反芻することができる、わたしが何も成せず誰の力にもなれない脆弱な存在であることには全く関係なくわたしはそれを断言することができる。
それらの瞬間をくれた人すべてをわたしはいまも曇ることなく愛しています。愛しています。だからもう、そろそろ、かまいませんよね。わたしはよく生きよく生かされ、このままでお終いになりたい。歩くのがはやい、ときょうもたしなめられました。だけれどわたしはもう待つ気になれないようです。夜の気分は間違っている、その間違っている気分が目覚めても洗われなくなりました。たましいとして残ることがかなうなら、わたしはずっと、あなたの横顔を眺めていたいと思います。大丈夫、あたらしい環境はあなたを伸ばし育んでいくことでしょう、わたしとは相性の悪くないこの環境ではあなたをきっと頭打ちにしてしまった、だから、あの日、無茶を言って正解でした。一日一日が、あれからとてものろく、寂しく、わずらわしいものにもどりました。
あなたを見くびらないでください。あなたを鍛え磨くことを怠らないでください。そのすこやかさを愛しています。愛していました。
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