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may be May

頭の中のごみそうじです

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ヴァリーのゆくえ

瞳のない目
いびつな自画像
ふたりぶんの贖罪

プライドを
思い出したいところ
それともあれはやっぱり
周りの目が間違えたかな

ねえルカ
失明するわけでも
胸にしこりがあるわけでも
お腹に棒が刺さったわけでも
ないのにね
ルカ
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Fathers

二十七で死にそこね
伝説になりそこねた
魂はいつでも差し出しているつもりだった

才能はいらない
ただ耐えがたかっただけ

恨み続けた根源がいま鏡の中にいる
たやすい選択だったろう
わかってしまう歳まで生きてしまった

何をしても帳消しになる業ではない
あの男も
おれも
この子たちも

ただ 地獄も天国も そこにいる人間が違うだけ
その通りなんだろう
堕ちてもいいが
呑まれずにいる覚悟はあるか

七十になったヒーローは
皺の増えた相変わらず悪人顔で
声を張り上げている
あっけらかんとしたもの
ああなりたい わけはないが
ばかばかしくはなる

忘れたわけじゃない
憎しみは手をふれずに残している
誘惑のすべてに
キスをして立ち去っていけ
報われはしないさ ただ 均されていくだけ

私を見ないで

寄り添って
なぐさめて
向き合って
構わないで
前を向いて

横顔を間近で見つめるように
まっとうなラブソングを聞く

説明しなくてもいいひとに
出会えたことでもういいよ

その気持ちを維持できれば
言うことはなんにもない

「すきとおったほんとうのたべもの」
われわれは味わいきってしまったと思わないか
世の中に見合った純粋は成り立つだろう
それを踏まえても

愕然とする 私はもう
使い物にならなくなってしまうみたい
「だから死のう」ではロジックとしてエレガントじゃない
そう言いそう もう少し巧く消えよう

赤い部屋

うつくしさの例を視覚的にこたえられるか
しあわせの感触を胸によびおこすことができるか
理想をこころえているか

わたしはできる
絶望的に

ひとりですらないわたしと違って
あなたが孤独なはずがない
都合を捨象すれば
わたしたちは路頭にまよいそして
あなたにじゅうぶんな陽があたる

単純な構図
まぶたを閉じる
複雑にしないで済むように
鞭で追い立てて
いらないと言って
そのまま打ち捨てていって

愛しているなんて言って
寄生しているだけ
よく知ってる
ようくわかってる

あなたがかなしい
マチスにとってのピカソみたいに
レオナルドにとってのミケランジェロみたいに
居たら いいのに

Leave me as I am
Keep you as you are
祈る

いわゆるなまごみ

うん 途方に暮れているよ
途方に暮れている
彼らとは
彼らとも
やっていけないみたい
ここにいると 欠陥ばかりが目につくよ

真新しい床を鳴らして
ボールを無心に追いかけた
戦力に数えられることに違和感はなくて
ねえあんなふうに毎日
混ざっていけたのが信じがたいよ

もどりたくはない
ただなつかしいよ
存在していられたことが

レベル100まで育て上げたあいつはカートリッジの中でまだ生きているかな
5教科500点満点は取れずじまいだったな
居間をかこむ賞状はなんだか悪趣味だったな
鮎といちじくとあひるの卵はあれ以来口にする機会がない
ロープでできた塔にいまなら登れるかな
ひとりでのびのびと音をはずしてうたっていた、あのままでいればよかったのかな
何人を何回なぐったかわからないのに二番目にやさしい人に選ばれていた
初恋もその次もいちどもきみじゃなかったよ 
でもこうして呼びかけるのはきみのことだよ

ああうまくいかないな
できないことは
かなわないことはもう
腹をくくって忘れ去りたい
好きになれない 選べないものはすべて
火にくべてそのまま

からだが萎びていく
あたまが腑抜けていく
こころが縮んでいく
薬は意味がない
会話は益がない
醜いから会いに行けない
ばかだから役に立てない
つまらないから用はない

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