忍者ブログ

may be May

頭の中のごみそうじです

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

breath

本を読む
わたしにゆるされた呼吸はそれだけ
PR

左側の憧憬

青いコート
角の居酒屋
子どもたち
点滅する赤
白猫の母子
日曜日の灯

螺旋階段

「おまえはもう要らない、
おまえはとうに用済みなんだ。
失せろよ、さっさと。
うまくやったと思ったのに」

この交差点を斜めに渡って
西へ行くバスで運ばれたい
どれほどそう願っているか
私が私でなくなれるのなら

螺旋階段を上る
上へ、上へ
階段が途切れるまで
息が切れないうちは
上へ、上へ
上へ、空へ、そして
地面から遠く隔たる

「仕方がないだろう?
おまえを選ぶことはできないのは、
おまえにもよく分かるだろう?
諦めろ、拒まれるのがさだめなのさ」

上へ、上へ、
やがて、遥か

終わり

脈打つ間隔で痛みがめぐる。右手から血が滴っている。誓って、わたしは猟奇的な映像も物語も好まない。それでも夢はそこから始まる。真っ白な空間に、砕けたガラスと赤色が散る。白いワンピースを来たわたしは膝を抱えている。言い訳を考えている。いつもそうしてきたように。

思い浮かんだ名前を呼んだ。夢だから、それに応えてあらわれた。子どもの姿だった。子どもは、いまは誰にも呼ばれなくなった名前を、もう少しも思い出せない声できちんと発音した。涙が出た。子どもは全く頓着せずに器用に包帯を巻いた。

「破片が血管をめぐって忘れたころに心臓を突いてくれないかしら」
口の中でつぶやいたはずの言葉は子どもに伝わっていたらしい。
「思ってもいないくせに」
冷ややか極まりない声で言い、顔を上げれば屈託なく笑う。大丈夫だよ、おまえがろくでもない人間なのは知っているから、憶えているから。そうね、わたしはそう信じていればいい。でも、どんどんおぼろげになっていってしまうの。感触を忘れた。声を忘れた。顔もあやしい。名前もそのうち消え失せてしまう。

子どもは破片を吟味している。悪夢の中で、やっとわたしの夢がかなう。

決して始まらないように

次はない
二度とない
来週も来月も来春も来年も五年後も
決して

笑い話の素材にも役者不足だ
頭がおかしく不安定でいやらしい媚びへつらいを欠かさない頭でっかち
真面目に、これほど造作のととのわない顔をほかに知らない
思いやるという行為が空中を歩くほどに出来ない
いつもサービス精神を持て余しただれかの施すおこぼれに預かって惰性で生き延びてきた
子どもだからとゆるされた、それももう苦しい、もうもたない
鍍金だけを後生大事に守って
あわれな
そのかりそめの値打ちでさえもおまえにしか見えていないのに


一瞬で事切れたい
あざやかにくたばりたい

はやく
はやく迎えにきて

カレンダー

11 2024/12 01
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

フリーエリア

最新コメント

最新記事

(11/27)
(11/25)
(11/23)
(11/20)
(11/18)

プロフィール

HN:
とるて
性別:
非公開

バーコード

ブログ内検索

最古記事

P R

忍者アナライズ