洗練されたフラワーショップの奥
席指定のないささやかなシアター
最後列の隅で、あの男さながらに
2012年夏の東京
私が郊外でソクラティック・メソッドのデモンストレーションを眺めていたとき
幸運な物好きたちは裸になって40秒ごとに彼のシャッターの前でポーズをとった
われ思う、ゆえにわれあり。も言い切るまでの間だけ
腕を机をポスターカラーで台無しにした
あの子は確かにあなただったのかもしれないな
好きな子とのセックスに
楽しい仲間とのアルコールに
不自由しない青年は
バッティングセンターに通い
ドラムを叩き散らす
孤独を選べずに
姑息を許せずに
左腕に沿う蛇はニューヨークで彫った
あいつきっともう生きてないだろうな
安全に還る僕を鼻で笑って軽蔑した
僕らが永遠を使いこなせるか
ハーストの水槽の前で語ろう
ぼくを抱いて
わたしを砕いて
断層の上で待っている