十二歳の想像は
あながち外れてもいなかった
二十四歳のふたりは
リクルート・スーツを持っていないし
東京にも出ていない
並んで写ってる最後のは
ミルキー・カラーの二つ折りの中
あれも色違いだった
iPhone4Sのアドレス帳
欠けたカ行を手繰ってみる
I just know you know me
一年遅れて就職を決め
彼はパパになる準備をしてる
いま聞いているバンドの名前と
ボーカルのファースト・ネーム
ちょっと笑えるんだけど
通じるのが彼だけだから
三番線 オレンジの中
湖側を食い入るように
でたらめに渦巻く吹雪と
切れ間のきらめき
除きようのない記憶
青
高架
短い坂道
虹のアーチ
私の名前は誰かが勝手に届けるだろう
You just know I'm fine
Thank you my boy
Goodbye,darlin'